分析家の独り言 705(子どもの躾:子どもを納得させる父の役目、知性・言語)


精神分析は言葉によって、自分の中にある無意識・コンプレックスを表現します。

その時同時に感情・情動を放出し、この状態を表出といいます。

フロイトが「情動無き語りは意味ない」と言っています。

言葉だけ分析しても、情動は抑圧され残ります。


一般的に見られるのは、怒りなどの感情が爆発して放出される状態です。

それは火山の爆発によって地中に溜まっていたマグマが

爆発によって放出されたようなものです。

感情の放出が、物を投げたり、壊したり、叩いたり、蹴ったり…と

行為化されただけで、その場に相応しい言葉の表現はありません。


親が子どもを躾ける際に、言語化出来ない父親はいきなり子どもを叩きます。

言語化できなければ、感情の爆発を自分でコントロールできません。

感情をコントロールするには、言葉で自分が感じていることを言葉にすることです。

感情や想いを言葉に直す能力がないので、感情的に爆発し放出するだけです。


言葉があれば考えることができます。

今自分が感じている怒りはなぜ、どこから来るもので、

それの放出法として子どもを叩くことが

正しく理にかなったことかの吟味ができます。

そして、言葉で子どもを諭し納得させ、正しい方向に導いていく。

これができてこそ『父』といえるのではないでしょうか。

父には言語化能力が必須です。

そのために本を読むことが役立ちます。

特に父親であるクライアントには読書をすすめます。


一般的に子どもが悪いことをしたら、殴ってでも止めるという意見が

全ての人ではないにしろ是とされています。

これでは物事の善悪、して良いことと悪いことの判断、人としてどうあるべきかなど、

子どもが生きていく上で必要なことなど何も伝わりません。

殴られた時の身体と心の痛みと、憎しみ、反発心、恐怖心が刻印されるだけです。

その子どもは一生その傷を抱えて生きていくことになります。


感情の放出は人間にとって大事なことです。

しかし、その放出先、放出方法を特に大人、親は考える必要があります。

出しやすい弱いもの、子どもに怒りを放出することのないように、

感情と言語の区別をつけ、言語、知性を身につけることが肝要と考えます。


      - インテグレーター養成講座Ⅲ 精神分析的精神療法Ⅰ- より
               (9月30日にインテグレーター養成講座で話す内容の一部です。)



                          インテグレーター(精神分析家) 登張豊実



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